中米の某国でクーデターに巻き込まれ、両親とも逸れてしまった兄妹が、密林の中で出会ったものとは。前半は、謎だらけの中で、家族間の微妙な関係性と目まぐるしい展開とがうまく絡み合って展開していくのが面白い。後半はクーデターの大…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
中米の某国でクーデターに巻き込まれ、両親とも逸れてしまった兄妹が、密林の中で出会ったものとは。前半は、謎だらけの中で、家族間の微妙な関係性と目まぐるしい展開とがうまく絡み合って展開していくのが面白い。後半はクーデターの大…
9.11のテロ事件から物語が始まる。金で人を支配し貶めようとする金融会社の会長と、そこに解雇された主人公らが、ゴッホの絵の売買を巡って戦う物語。悪徳金融会社の会長、美術コンサルタント、刑事、暗殺者、そしてゴッホの名画を所…
佐方検事シリーズを初読み。検事の仕事は罪をまっとうに裁かせること、という信義がとても熱く伝わってくる。こういう姿勢で仕事をすると敵も増えるだろうが、そうありたいと強く思う一冊だった。孤狼の血の日岡が出てきたのも、違う意味…
海で行方不明になった前夫。再婚した主人公の元に、元義母からその目撃情報が伝えられる。その影を調べていくうちに、自分が知らなった多くの事実に直面し、現在の生活の問題とあわせて苦悩する一人の女性を丁寧に描いた作品だった。人間…
ワシントンDCで仕事をするエリート弁護士の主人公が、ある事件をきっかけにホームレスを支援する弁護士に出会い、考え方を変え、やがて行動を変えていく。そして、ホームレスの死に対する責任を追及するため、かつて所属した弁護士事務…
ネパールで2001年のに起きたナラヤンヒティ王宮事件を背景にしたサスペンス。フリーの記者である主人公が偶然現地にいたことで取材を始めるが、新たな事件が発生する。本作は、ジャーナリズムのあり方、そして読み手である我々の姿勢…
【第一部】三部作の第一巻は、民俗学者・大生部教授と奇術師ミスター・ミラクルが、新興宗教にはまった大生部の妻を取り戻すため、宗教団体の謎に挑む。人の心が論理的ではないものを信じてしまうのはなぜか、そのメカニズムがわかりやす…
高齢の資産家を狙う裏稼業・後妻業を描いた痛快なエンターテインメント小説。登場人物が一癖も二癖もあり、人を騙すことに罪悪感のない人間というのはこんなものかと思う反面、突き抜け過ぎていて不謹慎ながら笑ってしまう。大阪弁の会話…
この本はある意味「人間とは何か?」を問う哲学書だと思う。なぜ人間が存在するのか、なぜ生きるのか、なぜその行為をするのか、苦しみとは、喜びとは何か、そうしたものを考えるが故に迷いながらも、生きていくために何を選択するのか。…
人間の嫌な部分が露になっていくのを見るのはとてつもなく不快だ。なぜなら、同じ感情が自分にもあると認めざるえを得ないから。ある殺人事件の容疑者に無罪判決を下した裁判官家族らを描いた物語だが、辛くても次の展開が気になって頁を…