カテゴリー: ファンタジー

残月記(小田 雅久仁)

月を題材とした世界観の作品3篇。当たり前だと思っていた日常が崩れていくとき、人はそのことをどう受け入れていくのだろう。生きていかねばならないという前提があるとすれば、たとえ理解できないことが起こったとしても、どこかで折り…

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歌うクジラ(村上 龍)

未来の人間社会──物理的な意味での不老長寿を手に入れた人間だが、社会は成熟するよりもむしろ荒廃し、人の心は成長しないまま、よりエゴが露出した社会となっていた。犯罪者とその子孫たちを隔離し、それ以外の場所で理想的な社会を作…

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カエルの楽園2020(百田 尚樹)

コロナ禍の状況をファンタジーに置き換えたカエルたちの物語。我が国が抱える問題をわかりやすくシンプルに描くと、きっとこんな世界観なのだろう。大変だ、大変だと騒いで、必死に対応しているように見えるが、客観的に見ればお笑いかと…

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海の底(有川 浩)

冒頭から巨大なザリガニの群れが横須賀に襲来する。これはとんでもない本を読み始めてしまったと思ったが、読み進むうちに不安は期待に変わり、主人公らの魅力に引き込まれた。 停泊する潜水艦に逃げ込んだ自衛官の夏木と冬原、そして子…

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虚空の旅人(上橋 菜穂子)

シリーズ第四弾は、バルサではなく新ヨゴ皇国皇太子チャグムが活躍する。隣国サンガルでの新王即位儀礼を舞台に、大きな事件が発生し、そこに巻き込まれていくチャグム……というより自ら巻き込まれていくという方が正しいだろう。 人の…

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