物語とは何だろうか。それを記した本とは何だろうか。読長町という町にある御倉家の書庫にはたくさんの本があるのだが、その本には盗まれないように呪いがかけられているという。 その謎は本の中にあり、物語の中に物語がある。どこから…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
物語とは何だろうか。それを記した本とは何だろうか。読長町という町にある御倉家の書庫にはたくさんの本があるのだが、その本には盗まれないように呪いがかけられているという。 その謎は本の中にあり、物語の中に物語がある。どこから…
コロナ禍の状況をファンタジーに置き換えたカエルたちの物語。我が国が抱える問題をわかりやすくシンプルに描くと、きっとこんな世界観なのだろう。大変だ、大変だと騒いで、必死に対応しているように見えるが、客観的に見ればお笑いかと…
冒頭から巨大なザリガニの群れが横須賀に襲来する。これはとんでもない本を読み始めてしまったと思ったが、読み進むうちに不安は期待に変わり、主人公らの魅力に引き込まれた。 停泊する潜水艦に逃げ込んだ自衛官の夏木と冬原、そして子…
シリーズ第四弾は、バルサではなく新ヨゴ皇国皇太子チャグムが活躍する。隣国サンガルでの新王即位儀礼を舞台に、大きな事件が発生し、そこに巻き込まれていくチャグム……というより自ら巻き込まれていくという方が正しいだろう。 人の…
この本の読後感を一言で表現するのはとても難しい。研究好きの主人公アオヤマ君なら、的確な表現を見つけてくれるかもしれない。 ある日、突然現れたペンギンたちの謎、そしてお姉さんの謎を研究していく主人公は、理屈っぽくて理性的な…
翠(すい)という国では、鳳穐(ほうしゅう)と旺厦(おうか)という二つの氏族が互いに覇権を争っていた。元を辿ればどちらも同じ血筋であるが、いまや互いに恨み合い、血で血を争っていた。そんな中、それぞれの王が、争うことを止める…
十二国記シリーズではあるものの、現実社会で展開する作品で、異世界から戻ってきた少年と現実社会の人々の衝突と交わりを描いている。自分が帰る場所はここではないと感じる高校生・高里と、同じように感じている教育実習生の広瀬。高里…
眠りから覚めることがなくなる原因不明の病にかかった患者たち。主人公はその患者たちを救うために、夢幻の世界へと飛び込んでいく。ファンタジーでもあり、医療ミステリーでもある本作は、人の心の闇にスポットをあてた著者らしい作品だ…
十二国気シリーズ、今回は王に使える麒麟が主人公だが、やはり世界観が素晴らしい。麒麟の役割は、新たな王を選び、そして王に使えるというものだが、主人公は幼少期を現代の日本で過ごし、あるとき突然この世界に戻されて麒麟だと言われ…
アイデアマンの本領発揮という一冊だろうか。小説の中に、ビジュアル表現が挟まれ、最初はそれが何の意味かがわからないまま進行していく。主人公にとってそれが理解できないものだからだ。半分くらいまで読んでも、この物語が向かう先が…