カテゴリー: 小説

一人称単数(村上 春樹)

久しぶりに読んだ村上春樹の本──。自分の部屋の本棚にあるのを人に見られたら、なんとなく気恥ずかしい感じがするし、本屋さんで平積みになっているのを買うと、ハルキストを気取ってると思われるんじゃないかと自意識過剰になってしま…

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破局(遠野 遥)

自分は何者かであるかを深くは考えず、ただ何者かではあるのだろうと漠然と信じて、ただ本能のあるがままに日々を過ごす学生時代。何も考えずに熱くなれたラグビーがあったのはついこの前のこと。前の彼女と、今の彼女、自分にとって都合…

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検事の死命(柚月 裕子)

検事・佐方シリーズほど安心して読める法定ミステリーはない。平成版水戸黄門というか、正義の味方ウルトラマンというか、とにかく表現は古いけれど、それくらい安定的に面白い。 シリーズ全作を通じて、とにかくテーマは人である。この…

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検事の本懐(柚月 裕子)

検事・佐方シリーズは本当に心に響く。連作短編のそれぞれに正義の物語があり、人が最後に人として踏みとどまる瞬間を感じて涙が零れた。佐方が対するのは、被疑者Aではなく、名前のある一人の人間である。森を見るのではなく樹を見ると…

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魂萌え!(桐野 夏生)

主人公は五十九歳の主婦。恙無い夫婦生活を送ってきた。しかし、夫が突然死してまもなく、夫の携帯電話に女性からの電話がかかってくる。夫の隠し事が明らかになり、また、息子と娘は母親の心など慮ることもなく相続の話をする。仲良くし…

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首里の馬(高山 羽根子)

沖縄の郷土資料館で資料整理を手伝う主人公の未名子は、ある変わった仕事を始める。それは、遠くにいる人たちにオンラインでクイズを出題して交流するというものだった。そして、ある日、未名子が暮らす家の庭に大きな動物が迷い込んでく…

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