篤志家という言葉は、まさにこういう人物のためにあるのだと思う。明治から昭和にかけ、倉敷から日本の成長を支えた大原孫三郎氏と、その息子さんである總一郎氏。人として、経営者として、この方々の生き方には感銘を受ける。圧倒的な行…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
篤志家という言葉は、まさにこういう人物のためにあるのだと思う。明治から昭和にかけ、倉敷から日本の成長を支えた大原孫三郎氏と、その息子さんである總一郎氏。人として、経営者として、この方々の生き方には感銘を受ける。圧倒的な行…
ハゲタカシリーズの著者が描く短編シリーズは、社会問題を抉った鋭い作品ばかりだった。それぞれの作品を読むと、当時、似たようなニュースがあったなということを思い出す。企業や政治の不正は、単なる一企業や個人の問題ではなく、社会…
阿岐本組は、素人衆を泣かしちゃいけねえという昔ながらのヤクザである。貸金の取り立てはまだしも、なりゆきで倒産しかけた出版社の経営をすることになる。主人公の日村は阿岐本組のナンバーツーであり、社長となった阿岐本と共に、出版…
中堅ゼネコンの若手社員である富島平太は、公共工事の受注を担当する業務課に異動する。そこは別名・談合課と呼ばれ、きれいごとでは済まない受注競争が繰り広げられていた。 そこに係る人たちは、談合は必要悪だという。もし談合がなけ…
企業再生で利益を得るハゲタカファンドと、企業、銀行、そして政治まで絡んで、巨額の金が経済を動かしていく構図が描かれているこのシリーズ、文句なく面白い。 老舗企業の買収を巡って、国境を越えた買収劇が繰り広げられる本作は、企…
文句なく面白かった。大企業の子会社で巻き起こる事件は、調べるほどにどんどん根が深いものだと判明していく。わずかなボタンの掛け違いが、もう戻ることができない道へと企業戦士たちを突き進ませてしまう様は、現代社会の悲哀をまざま…
モノづくり、技術、そして仕事に対する姿勢に共感して、胸が熱くなった。佃社長をはじめみんなの熱いが報われる。その一方で、ダメな人間はひたすらダメになっていく姿も描かれている。環境によって人はよくもなれば悪くもなるんだろうと…
下町ロケットシリーズ三作目。相変わらず大手取引先の事情に翻弄される下町の町工場。今回は佃社長というより周囲の人々が活躍する。仕事に対する姿勢が人生の分かれ目になっていて、共感と学びがあった。毎回わかっていても面白い池井戸…