カテゴリー: 芥川賞候補作

破局(遠野 遥)

自分は何者かであるかを深くは考えず、ただ何者かではあるのだろうと漠然と信じて、ただ本能のあるがままに日々を過ごす学生時代。何も考えずに熱くなれたラグビーがあったのはついこの前のこと。前の彼女と、今の彼女、自分にとって都合…

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首里の馬(高山 羽根子)

沖縄の郷土資料館で資料整理を手伝う主人公の未名子は、ある変わった仕事を始める。それは、遠くにいる人たちにオンラインでクイズを出題して交流するというものだった。そして、ある日、未名子が暮らす家の庭に大きな動物が迷い込んでく…

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背高泡立草(古川 真人)

長崎の島にある古い納屋、その芝刈りに向かう親族たち。いまや無人になっているその場所をなぜきれいに維持しなくてはいけないのかと娘は母たちに尋ねる。答えを聞くことは簡単だが、自分で考えてみること、調べてみること、そして感じる…

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沖で待つ(絲山 秋子)

会社の同僚との交流を描いた表題作は、現代の人間の距離感や寂しさ、その中で他の人に惹かれる気持などが非常にうまく表現された作品だと思う。突然死んでしまった同僚が残した言葉がじんわりと沁みる。同時に衆力された「勤労感謝の日」…

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影裏(沼田 真佑)

男が岩手でただひとり心を許した相手は、いま何どこにいて、何を思っているのだろうか。釣りをしながらする何気ない会話から、小さな喜びと大きな孤独感を感じる。震災が発生し、相手の実家を訪ねるシーンは、人生のやるせなさを感じずに…

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