カテゴリー: 小説

シリウスの道(藤原 伊織)

主人公は大手広告代理店の副部長。彼が所属する部署を指名して、某企業のコンペへの参加依頼が届く。内部干渉とも言えるような部署の指名の理由は何なのか。このコンペに臨む上司や新人など同僚たちの活躍、あるいは足を引っ張る者たちの…

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残月記(小田 雅久仁)

月を題材とした世界観の作品3篇。当たり前だと思っていた日常が崩れていくとき、人はそのことをどう受け入れていくのだろう。生きていかねばならないという前提があるとすれば、たとえ理解できないことが起こったとしても、どこかで折り…

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正欲(朝井 リョウ)

正しい欲求とは何だろうか。異性を見て性的興奮を覚えることは正しい性欲なのだろうか。食欲は、睡眠欲は、正しい欲求なのだろうか。誰がそれを何のために規定するのだろうか。自分がマジョリティに属していると思う人間が、そうでない人…

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夜が明ける(西 加奈子)

「俺」がその一言を云えるようになるまでに、どれほどたくさんの時間を費やしてきたのだろう。誰にも気づかれない孤独の中で、真っ黒な胸の内を隠して、自分ではない何かを演じて生きていく人生の辛さよ。血を流しながら、死ぬこともでき…

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ボタニカ(朝井 まかて)

学術研究で名を残す人の横には、名もなき多くの支えがあった。植物学者・牧野富太郎氏のことはこの作品で初めて知ったが、植物への圧倒的な熱量、絶対的な現場主義、純粋すぎるが故にそれ以外のことにはまったく気づかない鈍感さ、あくま…

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