MGC マラソンサバイバル (蓮見 恭子)

オリンピックのマラソン代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)。選手たちがどのようなドラマを経てスタートラインに立ったのか。なぜ走るのか。そして、42.195キロの中でどのような駆け引きがあり、それぞれがたどり着いた世界はどのようなものだったのか。フィクションだが、手に汗握る展開は、マラソンの実況を聞きながら、時には選手と同じ目線で東京のコースを走っているかのような臨場感だった。

物語はレース展開に沿って進んでいくが、女子MGCに参加した十二名のうちの五選手、それに監督、あるいは実況する者たちなどそれぞれの視点から描かれていく。読み進めながら、登場人物たちを実在の選手や監督に重ねながら読んだので、結構リアリティを感じることができた。

マラソンや駅伝を見るのが楽しいと思う人にはおすすめの一冊である。

個人的おすすめ度 3.5