ガダラの豚(中島 らも)

【第一部】
三部作の第一巻は、民俗学者・大生部教授と奇術師ミスター・ミラクルが、新興宗教にはまった大生部の妻を取り戻すため、宗教団体の謎に挑む。
人の心が論理的ではないものを信じてしまうのはなぜか、そのメカニズムがわかりやすく描かれていてとても面白かった。

【第二部】
ケニアでの臨場感たっぷりの冒険が面白い。
前半は結構ほのぼのとしながら、アフリカのこと、ケニアのこと、そして呪術の位置づけなどがしっかりと描かれていて興味深い。
そしてスリリングな後半は先が気になり一気読み。

【第三部】
第一部の新興宗教、 第二部のケニアの呪術、そして第三部はその集大成となるドタバタ劇。
至る所でスマホゲームをピコピコやっている人たちを見ると、この作品のようにそのうちゲームを通じて洗脳されるんじゃないかと想像した三部目だった。

各巻の中にあるエッセンスがとても興味深く、活躍ジャンルの幅が広かった著者らしい物語だった。

個人的おすすめ度 3.5