カテゴリー: 本屋大賞

ヘヴン(川上 未映子)

公平な世の中など幻想に過ぎない。十四歳の僕が知った現実だった。だから自分でどう生きるかを決めなくてはいけなかった。たった一人の友達だった彼女がそのことを教えてくれていたのに。圧倒的な切なさと虚しさ。彼が最後に見た普通の世…

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ピエタ(大島 真寿美)

ヴェネツィア共和国の孤児院ピエタは、付属の音楽院を併設していた。そこで合奏・合唱の娘たちを指導していた作曲家アントニオ・ヴィヴァルディの訃報が教え子だったエミーリアに届く。ピエタ及びヴィヴァルディに係わった女性たちの交流…

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きみはいい子(中脇 初枝)

親と子の問題を描いた5編の連作短編。「寄せ集め」と評されるニュータウンでは、お互いに他人にはあまり深くは関わらない。家の中では、暴力やネグレクトなどの虐待があっても、それを取り繕う親もいて、問題が表面化しづらい。この本は…

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夏物語(川上 未映子)

人が生まれて、生きるということは、辛いことなのだろうか。それは誰にとって幸せなことなのだろうか。 一部は、主人公の夏子と、姉の巻子と姪の緑子の物語。家族だからこそ感じてしまうわだかまり、その空気感が行間から伝わってきて、…

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