カテゴリー: 本屋大賞

ムゲンのi(知念 実希人)

眠りから覚めることがなくなる原因不明の病にかかった患者たち。主人公はその患者たちを救うために、夢幻の世界へと飛び込んでいく。ファンタジーでもあり、医療ミステリーでもある本作は、人の心の闇にスポットをあてた著者らしい作品だ…

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線は、僕を描く(砥上 裕將)

水墨画の奥深さを堪能できる作品で、 水墨画を描いている瞬間の描写、あるいは絵そのものの描写が素晴らしかった。心を閉じていた青年が、水墨画を学んでいく中で成長していく物語だが、彼の動きと水墨画の描写が見事にシンクロしていて…

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ライオンのおやつ(小川 糸)

人が亡くなっていくのに、温かい気持ちになれる物語だった。余命宣告を受けた主人公は、人生最後の場所として瀬戸内海の島にあるホスピスへ入居する。そこには、人生を変えるようなおやつの時間があった。「生まれることと亡くなることは…

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流浪の月(凪良 ゆう)

世間から見たら事件の加害者と被害者──しかし二人だけが知っている事実。ただ普通に生きることが許されないのは、彼らの責任なのだろうか。誰もが悪気なく他人を傷つけているのだろう。そして、傷ついている彼らに気づかないまま、通り…

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熱源(川越 宗一)

舞台は明治から昭和にかけての樺太(サハリン)。そこで出会い、そこで生きる人々の声が聞こえてくる。アイヌ人、ポーランド人、日本人、ロシア人、あるいはオロッコなど、それぞれが尊重しあって生きていた場所は、本当の意味での「無知…

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鹿男あをによし(万城目 学)

ミステリー要素あり、コメディあり、歴史、青春スポ根、そして文学と、様々な要素が奇想天外な物語の中に凝縮されている、まさに万城目ワールドといえる作品。「あおによし」は奈良を表す枕詞で、奈良の女子高に教師として赴任した主人公…

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家守綺譚(梨木 香歩)

亡き友が住んでいた家に、家守として暮らすことになった主人公。百年前の日本を舞台に、百日紅に惚れられたり、鬼や河童が現れたり、狸に化かされたりしながら過ぎていく日々。あるがままを受け入れ、すべての物事に感謝することの大切さ…

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王とサーカス(米澤 穂信)

ネパールで2001年のに起きたナラヤンヒティ王宮事件を背景にしたサスペンス。フリーの記者である主人公が偶然現地にいたことで取材を始めるが、新たな事件が発生する。本作は、ジャーナリズムのあり方、そして読み手である我々の姿勢…

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