線は、僕を描く(砥上 裕將)

水墨画の奥深さを堪能できる作品で、 水墨画を描いている瞬間の描写、あるいは絵そのものの描写が素晴らしかった。
心を閉じていた青年が、水墨画を学んでいく中で成長していく物語だが、彼の動きと水墨画の描写が見事にシンクロしていて、その絵が筆づかい、水が滴る音などが映像や音声となって伝わってくるようだった。
タイトルも絶妙で、読み終えたときにすべてが腑に落ちた。
自分でも水墨画を描いてみたくなった一冊。

個人的おすすめ度 4.0