タグ: 朝井まかて

類(朝井 まかて)

森鷗外と妻、そしてその子供たちの生涯を、末子の森類の視点から描いた力作。千駄木の自宅の風景とそこに暮らす主人公らの姿が克明に浮かぶ。鷗外が亡くなってからも、家族の人生は鷗外なくして語られることはなかっただろう。 類は両親…

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輪舞曲(朝井 まかて)

読了後の切ない余韻が心地よい。大正の名女優・伊澤蘭奢(いざわらんじゃ)と、彼女に深くかかわった編集者・内藤民治(ないとうたみじ)、弁士・徳川夢声(とくがわむせい)、児童文学作家・福田清人(ふくだきよと)、そして息子で作家…

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もののけ<怪異>時代小説傑作選(朝井 まかて/小松 エメル/三好 昌子/森山 茂里/家門 七海/宮部 みゆき)

6人の女性作家が描くもののけの世界。人情話もあればホラーもあり、ユーモアを感じることもあれば怖い世界を見ることもあり、もののけの世界でありながら人間の喜怒哀楽が見事に凝縮された短編ばかりである。こうした物語が作られるのは…

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落花狼藉(朝井 まかて)

吉原には人間の清濁を併せ呑むドラマが凝縮されていると思う。その吉原の黎明期にも、当然のように心震えるドラマがあった。涙なくして読めなかった中盤、そして最後の言葉に鳥肌が立つほど感動した。主人公と自分(読者)が重なるかのよ…

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草々不一(朝井 まかて)

江戸の市井の人々を描いた短編は、心に染みる作品ばかりだった。タイトルの草々不一は本を締めくくる作品で、武士とはこうあるべきと頑固に生きてきた男が、妻を亡くしてから大切なことに気づく物語。ラストシーンにほろりと涙が零れてし…

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落陽(朝井 まかて)

明治天皇が崩御され、明治神宮ができた背景を描いた作品で、日本人にとって天皇陛下とはどいう存在なのかを掘り下げた素晴らしい一冊だった。過去にも未来にも日本及び日本人は繋がっている、そういう思いを現代日本人は忘れてしまってい…

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御松茸騒動(朝井 まかて)

今どきのサラリーマン社会と類似している江戸時代の武士の世界。御松茸同心に左遷された若い尾張藩士が主人公。自分は他人より仕事ができるという驕りが行動に表れてしまうのだが、過剰なほどの真面目さでそれを克服していく姿に感じるも…

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残り者(朝井 まかて)

江戸城の無血開城によって、大奥もその歴史に幕を閉じた。城を明け渡しに際して、そこにいた五人の女性が、大奥とは何だったのか、大政奉還が何をもたらしたのかなどを語る。戦っていたのは名を残した者ばかりではないのだ。時代に翻弄さ…

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福袋(朝井 まかて)

江戸の庶民を描いた短編8編、どれもしみじみと心に染みるいい作品だった。誰かの何気ない一言が他人の人生に大きく影響を与えたり、思いがけない人が自分に幸せをもたらしてくれたり、いつの時代も人間というのは変わらず面白いものだと…

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