カテゴリー: 5.0

ノモレ(国分 拓)

NHKスペシャルの取材を元に、アマゾンに暮らす先住民を描いたドキュメント。あまりに面白く、一心不乱に読み耽った。筆者の後書きにあった先住民の言葉「明日のことは約束できないが、百年後の約束ならできる」が心に強く残る。理屈で…

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還るべき場所(笹本 稜平)

読み終えてしまうのが惜しい、いつまでもこの感動を感じながら読んでいたいと思う一冊。8千メートルを超える山でパートナーを失った主人公が再び山に挑戦するのだが、そこには幾多の困難と感動があった。読んでいて息苦しくなるほどの臨…

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赤ヘル1975(重松 清)

セリーグのお荷物と言われたカープが、球団創設から26年目にして初優勝した年のことを、よそ者として広島に引っ越してきた少年の視点から語る感動作。広島のこと、カープのこと、そして戦争のこと、何度も涙しながら読んだ。みんなに読…

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13・67(陳 浩基)

香港を舞台にした傑作サスペンス!警察官クワンが次々と難題に立ち向かう連作短編の形だが、すべてを読んだときに解明される事実に感動する。まるでアクション映画を見ているようなスピード感があり、寝る間を惜しんで次の展開を読みたい…

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BUTTER(柚木 麻子)

男たちを誘惑して次々と殺害した容疑者を、主人公の女性記者が取材していく中で、容疑者に取り込まれていく展開に、まるで自分が引き込まれていくような恐怖を感じた。物語の中で、濃厚なバターの美味しさが描写されると、読んでいながら…

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サラバ!(西 加奈子)

イランで生まれた日本人の主人公が成長していく物語。両親、姉、近所のおばちゃんなど、個性あふれる人々が登場し、まったく先が見えない展開に引き込まれていった。奇想天外な物語の一方で、主人公は、人と人の距離感という、人生を生き…

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恋歌(朝井 まかて)

これほど泣いた作品があっただろうか。維新の時期における水戸藩で生きる中島歌子の人生は、紆余曲折と一言で片づけられるようなものではなかった。悲しみ、悔しさ、そしてある瞬間の幸せなどがひしひしと伝わっくる。途中も、そしてラス…

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蜜蜂と遠雷(恩田 陸)

これは本当に小説なのだろうか?紙面から音が聞こえる気がするのはなぜだろうか。音楽を文字でここまで表現できるのかという感動があった。ピアノに人生をかけたピアニストたちの思いが交錯し、それぞれの生き方が旋律となって表現されて…

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