カテゴリー: 5.0

サロメ(原田 マハ)

十九世紀末、タブーに踏み込んだ劇作家オスカー・ワイルドと、その作品サロメのイラストで時代を席巻したオーブリー・ビアズリー。二人の関係が一線を越えて深まっていこうとする中、病気を抱えるオーブリーに献身的に尽くす姉メイベル・…

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若冲(澤田 瞳子)

江戸中期の人気画家・伊藤若冲の人生を描いた物語。若冲はなぜあのような奇抜な絵を描いたのか。懊悩の極みにあって、絵を描くことだけが生きる術だったのではないか。楽に生きていくことなどできず、死ぬこともできない自分。 前半から…

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熱源(川越 宗一)

舞台は明治から昭和にかけての樺太(サハリン)。そこで出会い、そこで生きる人々の声が聞こえてくる。アイヌ人、ポーランド人、日本人、ロシア人、あるいはオロッコなど、それぞれが尊重しあって生きていた場所は、本当の意味での「無知…

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天使のナイフ(薬丸 岳)

心が痛くて、痛くてたまらない。人間の心が怖くて、孤独で、けれども一人では生きていけないから誰かを信じたくて──。少年犯罪の問題、犯罪被害者の問題、法制度の狭間であがき苦しんでいるのは誰なのか。物語は、妻を殺された主人公が…

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背中の蜘蛛(誉田 哲也)

聖人ばかりであれば犯罪は起きないのかといえば否だろう。技術革新によって操作のあり方は人間の心を超えていく。しかし、警察官もまた人間だという当たり前のことに気づかされる。ラストシーンにある上山の葛藤。警察としてどうあるべき…

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