カテゴリー: 4.5

夏物語(川上 未映子)

人が生まれて、生きるということは、辛いことなのだろうか。それは誰にとって幸せなことなのだろうか。 一部は、主人公の夏子と、姉の巻子と姪の緑子の物語。家族だからこそ感じてしまうわだかまり、その空気感が行間から伝わってきて、…

全文を読む

極夜行(角幡 唯介)

4か月も太陽が昇らない極北の地を著者はなぜ冒険するのか。それは、この本を読めばわかるだろう。一言で言えばロマン。ただし、そこにあるのは命がけのロマンである。マイナス20度なんてまだまだ暖かいじゃないかと錯覚する臨場感あふ…

全文を読む

落花狼藉(朝井 まかて)

吉原には人間の清濁を併せ呑むドラマが凝縮されていると思う。その吉原の黎明期にも、当然のように心震えるドラマがあった。涙なくして読めなかった中盤、そして最後の言葉に鳥肌が立つほど感動した。主人公と自分(読者)が重なるかのよ…

全文を読む

革命前夜(須賀 しのぶ)

ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ。ドレスデンの音楽大学に留学した日本人が直面する東側の雰囲気。互いに監視しあう社会、密告する側とされる側、その中で誰を信頼し、何を信じて生きていくのか。辛いけれど、逞しく生きていく人の心がと…

全文を読む

リーチ先生(原田 マハ)

陶芸家バーナード・リーチの半生を描いた作品。白樺派との交流などを通じて日英の架け橋となった同氏を、架空の人物・亀乃介の視点から語っている。陶芸をはじめ芸術などについて熱く語る登場人物たちが魅力的で、自分もその場にいるかの…

全文を読む