きっとこの本を後で読み返すと、その時代を思い出すことだろう。泣けるエッセイもあれば、笑えるエッセイもあり、考えさせられるものもあれば、するりと納得できるものもある。それにしても、さすがに「ベストエッセイ」というだけあって…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
きっとこの本を後で読み返すと、その時代を思い出すことだろう。泣けるエッセイもあれば、笑えるエッセイもあり、考えさせられるものもあれば、するりと納得できるものもある。それにしても、さすがに「ベストエッセイ」というだけあって…
杉並の古い洋館に暮らす四人の女たち。家主の牧田鶴代と、その娘で刺繍作家の佐知。偶然に出会いから佐知と友達になった同年代の雪乃、そして雪乃の会社の後輩である多恵美。さらにすぐ近くに暮らす老人・山田。 個性的な面々が織りなす…
買い物する場所や飲食店があまりない地域の事を「何もないところ」と表現することがあるが、それは単に何も見えていないというだけのことだろう。神去村で林業の従事し始めた主人公・勇気は、前作では無理やりこの地にやってきたものだっ…
狂おしいような恋愛ではない。しかし、こんな恋もいいじゃないと思えるようなシチュエーションの恋愛短編集。齢をとってみれば他愛のないような恋愛が、三浦しをんのペンを通すとこんなにも美しく七色に輝いて見えるのが不思議だ。 個人…
本郷の料理屋で働き始めた主人公と、T大学大学院の生物学研究室の人たちの物語。植物を研究する人たちの植物の捉え方が、専門知識のない私にもわかるように描かれていて、強く興味を惹かれた。タイトルの意味が深い。なるほど、愛なき世…
二人の女性の交流を描いた物語。それぞれの心が揺れ動く様に、時に共感し、時に戸惑い、読んでいる時の感情ををうまく言い表すのが難しい。ただ、複雑な心が伝わるこの作品が素晴らしいということは間違いない。軽い物語だと思って読み始…
2018年最後の一冊はこれ。何度も笑って、ほっこりとして、とても読後感のよい物語だった。林業や田舎の暮らしを描いたものだが、単純にそういう生き方がいいというのではなく、ちょっと立ち止まって考える機会をもらうことができた。…