カテゴリー: 青春

六番目の小夜子(恩田 陸)

どんな作家さんでも、その時にしか書けない作品というのがあると思う。高校生の青春の輝きを、こんな風に捉えられる感性は本当に素晴らしい。謎を追う楽しさと共に、多くの人が通り過ぎる青春期の葛藤が、高校生たちの描写を通じて蘇って…

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蹴りたい背中(綿矢 りさ)

著者が十九歳の時に書いた芥川賞受賞作品。高校生の青春を描いたものだが、そこに感じる孤独感や苛立ちなどが素晴らしい感性で描かれている。十代で読んだら素直に共感したと思う。自分だけが孤独だと思っていた青春期を懐かしく思い出し…

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ひと(小野寺 史宜)

厳しい境遇に置かれた主人公が、素敵な人たちと出会って一歩ずつ前進する姿と応援してしまう青春小説。後味もよく、読んでよかった一冊だった。地元荒川区の、あらかわ遊園や熊野前、町屋が出てきたのが、地元民としてしっかり心に刺さっ…

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GO(金城 一紀)

在日であることを越えて、広い世界へと踏み出そうとする主人公の葛藤と成長を描いた物語で、2000年に直木賞を受賞した作品。やるせない気持ち、異性へのときめきや怖れ、友情あるいは喪失感、感情の爆発など、主人公の感情の起伏が丁…

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