旧仮名遣い&旧漢字でじっくりと読了した。若い主人公が、初めての恋に溺れ、盲目的に突き進んで行く様が、美しい表現で見事に描かれている。主人公の自分勝手さに昔の自分を見たような気もして、心の襞を強く撫でられたような痛みも感じ…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
旧仮名遣い&旧漢字でじっくりと読了した。若い主人公が、初めての恋に溺れ、盲目的に突き進んで行く様が、美しい表現で見事に描かれている。主人公の自分勝手さに昔の自分を見たような気もして、心の襞を強く撫でられたような痛みも感じ…
着眼点がとても素晴らしく、端々に刺さる表現があった。例えば「ドルは紙切れとコイン、それから武器でできている。仮想通貨はソースコードと哲学でできている」という一言が、まさに現代社会を表現しているように感じた。ダメな飛行機コ…
淡々とした語り口でボクサーの内面を綿密に綴った芥川賞作品。試合に負けてから次の試合が決まるまでの悶々とした日々や、試合へ向けてトレーニングする中での葛藤を読んでいると、決して「いい人」ではない主人公を「頑張れ」と応援した…
2018年上期の芥川賞受賞作。青森県の中学校に転向になった主人公は、同級生と打ち解けていくのだが、その中で繰り返される陰湿な感じのいじめの様子が描かれている。一見すると楽しそうな日常と、そこに潜む怖さ。そして物語はあると…