大地震でも倒れない五階建ての木造建築・五重塔。それは1400年も前に作られ、今なおその技術が受け継がれていることが素晴らしい。この本は、それぞれの時代で五重塔に携わった職人たちの物語であり、技術が伝承されていくことの大切…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
大地震でも倒れない五階建ての木造建築・五重塔。それは1400年も前に作られ、今なおその技術が受け継がれていることが素晴らしい。この本は、それぞれの時代で五重塔に携わった職人たちの物語であり、技術が伝承されていくことの大切…
いわゆる勧善懲悪の時代劇。捕物帳の王道を行く物語で、チャンバラシーンもあり、主人公もかっこよく、江戸の街で活躍する面々が映像が浮かぶ。読書部で交換した一冊で、自分ではあまり買わないジャンルの小説だったためか、新鮮な感じで…
信長も覆すことができなかった自然の定理。織田家を大きな営業会社のような感じで捉え、一生懸命に働き続けた家臣(社員)たちの行く末を描いた作品。織田家はブラック企業なのか、優良企業なのか、賛否あるところだろうが、信長の感性は…
臥薪嘗胆という故事の背景となった呉と越の争いを描いた表題作をはじめ3編が収録された一冊。どれも異なるテイストで、カンフー映画を見ているようなアクションの描写もあり、ユーモアもあり、そしてラブストーリーもあり、様々な要素が…
江戸の市井の人々を描いた短編は、心に染みる作品ばかりだった。タイトルの草々不一は本を締めくくる作品で、武士とはこうあるべきと頑固に生きてきた男が、妻を亡くしてから大切なことに気づく物語。ラストシーンにほろりと涙が零れてし…
明治天皇が崩御され、明治神宮ができた背景を描いた作品で、日本人にとって天皇陛下とはどいう存在なのかを掘り下げた素晴らしい一冊だった。過去にも未来にも日本及び日本人は繋がっている、そういう思いを現代日本人は忘れてしまってい…
徳川家康の物語というより、江戸の発展に寄与した責任者や職人たちの物語。利根川の流れを変える大規模な治水工事を行ったり、貨幣を鋳造したり、生活を支える飲み水を引いてきたりと、そのすべてが今の東京に繋がっているのだと感慨深く…
今どきのサラリーマン社会と類似している江戸時代の武士の世界。御松茸同心に左遷された若い尾張藩士が主人公。自分は他人より仕事ができるという驕りが行動に表れてしまうのだが、過剰なほどの真面目さでそれを克服していく姿に感じるも…
江戸城の無血開城によって、大奥もその歴史に幕を閉じた。城を明け渡しに際して、そこにいた五人の女性が、大奥とは何だったのか、大政奉還が何をもたらしたのかなどを語る。戦っていたのは名を残した者ばかりではないのだ。時代に翻弄さ…
江戸の庶民を描いた短編8編、どれもしみじみと心に染みるいい作品だった。誰かの何気ない一言が他人の人生に大きく影響を与えたり、思いがけない人が自分に幸せをもたらしてくれたり、いつの時代も人間というのは変わらず面白いものだと…