風は西から(村山 由佳)

会社は何のためにあるのか?
従業員が幸せになれない会社に存在意義はあるのか?
カリスマ経営者によって洗脳されて自殺する従業員の死は、誰の責任なのか?
ブラック企業が名指しされるようになり、以前よりだいぶ働きやすくなったと思うが、今も違った形でブラック企業は存在していると思う。

やりがいのある仕事に喜びを感じる女性と、ブラック企業で働く彼氏を対比して、同じ忙しいという環境にも明らかな違いがあるということをわかりやすく示してくれている。
ブラック企業の環境には読んでいるだけで胃が痛くなりながら、それと戦う主人公たちの頑張りを、心配しながら応援した。

本書のタイトルにもなっている奥田民生の名曲「風は西から」が随所に引用されていて、頭の中でフレーズが流れる。

明日へ突っ走れ 未来へ突っ走れ 魂で走れ

本当に大切な未来のために、明日へ向かって頑張っていこう。

個人的おすすめ度 3.5