螢坂(北森 鴻)

香菜里屋シリーズ三冊目。
三軒茶屋のビアバーには、今日もちょっと推理好きな常連客たちが訪れる。
ひとつの話題を拾い上げ、客たちが推理を巡らせる。
それを眺めるマスターの工藤は、いつでもすべての見抜いている。
表題となっている「蛍坂」をはじめ、いずれの作品も黄昏色のような人生の悲哀が含まれていて心に響く。
読み終えてしまうのが本当に惜しくなる連作短編である。
美味しい酒と肴をいただきながら続編を読もう。

個人的おすすめ度 4.0