カテゴリー: 3.0

影裏(沼田 真佑)

男が岩手でただひとり心を許した相手は、いま何どこにいて、何を思っているのだろうか。釣りをしながらする何気ない会話から、小さな喜びと大きな孤独感を感じる。震災が発生し、相手の実家を訪ねるシーンは、人生のやるせなさを感じずに…

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爪と目(藤野 可織)

芥川賞受賞作の「爪と目」ほか2作を収録した短編集。表題作は、子供の視点から描いた父親の愛人の話で、アンバランスな関係性を淡々と描いている。個人的には「ちびっこ広場」で描かれる母子の結末が、想像を掻き立てるようで面白かった…

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雪山飛狐(金 庸)

中国人ならみんな知ってるという作家・金庸の作品を初読書。清の時代を背景に、争い合う侠客たちが、自分たちが争う理由や目的などを明らかにしていくミステリー調の武侠小説。話を聞くより手が先に出てしまう面々だが、それぞれ人間味に…

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1R1分34秒(町屋 良平)

淡々とした語り口でボクサーの内面を綿密に綴った芥川賞作品。試合に負けてから次の試合が決まるまでの悶々とした日々や、試合へ向けてトレーニングする中での葛藤を読んでいると、決して「いい人」ではない主人公を「頑張れ」と応援した…

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ウズタマ(額賀 澪)

母の死の真相をめぐる主人公と父、そして犯人の葛藤を描いた作品。ちょっと設定に無理があるかなと感じるところもあったが、関係者はいい人たちばかりで、ふわっとしたいい話だった。 個人的おすすめ度 3.0

送り火(高橋 弘希)

2018年上期の芥川賞受賞作。青森県の中学校に転向になった主人公は、同級生と打ち解けていくのだが、その中で繰り返される陰湿な感じのいじめの様子が描かれている。一見すると楽しそうな日常と、そこに潜む怖さ。そして物語はあると…

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GO(金城 一紀)

在日であることを越えて、広い世界へと踏み出そうとする主人公の葛藤と成長を描いた物語で、2000年に直木賞を受賞した作品。やるせない気持ち、異性へのときめきや怖れ、友情あるいは喪失感、感情の爆発など、主人公の感情の起伏が丁…

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笑うな(筒井 康隆)

私が生まれた頃に書かれた34編の短編集で、すべてが筒井ワールドの奇想天外な物語だった。落語のように面白いものもあれば、ハチャメチャすぎて理解不能なものもあったりするが、小説は自由であり、想像力は無限だなと感じた一冊であっ…

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