泣ける小説ということでご紹介いただいた一冊。あっというまに老いを迎える難病を発症した彼女と、カメラマンを目指している主人公の物語。主人公の鈍感さにバカヤローと思いながらも、わかっているけど泣けるパターンで(涙)、あっとい…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
泣ける小説ということでご紹介いただいた一冊。あっというまに老いを迎える難病を発症した彼女と、カメラマンを目指している主人公の物語。主人公の鈍感さにバカヤローと思いながらも、わかっているけど泣けるパターンで(涙)、あっとい…
男が岩手でただひとり心を許した相手は、いま何どこにいて、何を思っているのだろうか。釣りをしながらする何気ない会話から、小さな喜びと大きな孤独感を感じる。震災が発生し、相手の実家を訪ねるシーンは、人生のやるせなさを感じずに…
芥川賞受賞作の「爪と目」ほか2作を収録した短編集。表題作は、子供の視点から描いた父親の愛人の話で、アンバランスな関係性を淡々と描いている。個人的には「ちびっこ広場」で描かれる母子の結末が、想像を掻き立てるようで面白かった…
中国人ならみんな知ってるという作家・金庸の作品を初読書。清の時代を背景に、争い合う侠客たちが、自分たちが争う理由や目的などを明らかにしていくミステリー調の武侠小説。話を聞くより手が先に出てしまう面々だが、それぞれ人間味に…
本屋大賞ノミネート作品ということで著者の作品を始めて読んだ。ホラーと言っても重い内容ではなく、ばらばらに見える物語がどこで繋がっているのかというミステリー的要素もあった。ホラーが苦手な私も、大きな恐怖は感じずにサラサラッ…
物語は悪くないのになぜか読みにくかったのは文体のせいだろうか?テーマは面白く、江戸時代の女性の駆け込み寺・鎌倉・東慶寺で繰り広げられる連作短編になっていて、男女の謎がミステリーになっている。まぁ、いつの時代も女性は強く、…
淡々とした語り口でボクサーの内面を綿密に綴った芥川賞作品。試合に負けてから次の試合が決まるまでの悶々とした日々や、試合へ向けてトレーニングする中での葛藤を読んでいると、決して「いい人」ではない主人公を「頑張れ」と応援した…
母の死の真相をめぐる主人公と父、そして犯人の葛藤を描いた作品。ちょっと設定に無理があるかなと感じるところもあったが、関係者はいい人たちばかりで、ふわっとしたいい話だった。 個人的おすすめ度 3.0
2018年上期の芥川賞受賞作。青森県の中学校に転向になった主人公は、同級生と打ち解けていくのだが、その中で繰り返される陰湿な感じのいじめの様子が描かれている。一見すると楽しそうな日常と、そこに潜む怖さ。そして物語はあると…
在日であることを越えて、広い世界へと踏み出そうとする主人公の葛藤と成長を描いた物語で、2000年に直木賞を受賞した作品。やるせない気持ち、異性へのときめきや怖れ、友情あるいは喪失感、感情の爆発など、主人公の感情の起伏が丁…