カテゴリー: 小説

らんたん(柚木 麻子)

明治初期から大正、昭和と、激動の時代を生きた河井道という女性。その視線の先には、すべての人々が平等な社会と、それに基づく世界平和という大きな志があった。女性の社会的な役割を認め、教育機会を作り、地位を向上することは、今な…

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デンジャラス(桐野 夏生)

文豪・谷崎潤一郎の三番目の妻、松子の妹である重子の視点から、谷崎家の人間模様を描いた物語。谷崎潤一郎という人物をここまで掘り下げているだけでなく、妻や姉妹、子どもたち、さらにはその伴侶などを、ここまで個性的に描いている作…

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歩兵の本領(浅田 次郎)

私が子供だった1970年代頃には、まだ上野駅で自衛隊員を募集する人を見かけた気がする。そんな時代に自衛官になった人々を描いた連作短編。国を守る存在でありながら、外を制服で歩くこともできず、名誉や誇りを持つことも難しい時代…

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兇人邸の殺人(今村 昌弘)

シリーズ第三弾の本格ミステリー。謎解きの面白さを味わいつつ、これは物語であり、エンターテインメントだと理解しながらも、物語に引きずり込まれるような面白さがあった。ファンタジー映画を見ているような感覚もあり、個人的にシリー…

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血の轍(相場 英雄)

警察組織の中で対立する刑事と公安。大きな事件に直面してもなお、その対立は収まることがなく、社会の秩序と安全を維持するという本来の目的よりも、自分たちの組織を守ることが優先してしまう。正義感溢れる人間も、その中に入ればやが…

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