警察組織の中で対立する刑事と公安。大きな事件に直面してもなお、その対立は収まることがなく、社会の秩序と安全を維持するという本来の目的よりも、自分たちの組織を守ることが優先してしまう。正義感溢れる人間も、その中に入ればやが…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
警察組織の中で対立する刑事と公安。大きな事件に直面してもなお、その対立は収まることがなく、社会の秩序と安全を維持するという本来の目的よりも、自分たちの組織を守ることが優先してしまう。正義感溢れる人間も、その中に入ればやが…
過去に付き合っていた彼が、不可解な遺言状の残して死んだ。自分のことを殺した犯人に巨額の財産を譲るというというのである。弁護士である主人公は、その財産の一部を得るため、犯人として名乗りを上げたクライアントの代理人として関係…
また凄い本に巡り合ってしまった。信仰というものがどのように形成されていくのか、日本における宗教というものはどういう位置づけなのか、風習はどのように変化してくのかなどが、しっかりとした資料と共に示されていて、小説を読む楽し…
読み終えてなお、この作品の世界にしばらく浸っていたかった。自分自身が年齢を経て過去を顧みたとき、どのような感慨を抱くのだろうかと、そんな想像をしたくなる読後感があった。 子供のころ、ある事件から栄光の五人組と言われるよう…
ロースクルールの生徒たちによる無辜ゲームと呼ばれる模擬法廷。審判者、告訴者、犯人、証人、そして傍聴人、それぞれが校内で発生した事件をもとに審判を仰ぐのだが、何気ない遊びにさえ見えたこのゲームは、やがて実際の法廷と繋がって…
物語の中に物語が描かれる王道ミステリーだった。閉鎖された病院の屋上から落下したのは自殺なのか、事故なのか。そして、そこに至る過程で何があったのか。 この作品の面白さはまず構成の素晴らしさにある。主人公の前に謎が示され、そ…
学生時代に読み漁っていた内田康夫の浅見光彦シリーズ。1988年に出版された作品だが、妻の故郷である江田島が舞台ということで、現地の地図などと照らし合わせながら読んだ。 江田島と言えば、かつて海軍のエリートを養成した海軍兵…
男を殺してしまったと話した女性は、警察の取り調べに対して、女の声が聞こえるのだと言った。女性はなぜ男を殺そうとしたのか。そもそも男との関係はどのようなものなのか。そして、女の声とは一体何なのか。 事件は過去にさかのぼる。…
不可解な連続通り魔殺人事件──それは愛なのか、それとも人の心に巣食う悪なのか。狂気と正気の境目はやがて曖昧になり、読んでいる自分自身が怖くなってくる。 神に語りかけ、やがて神に失望し、後戻りのできない世界へと進んでしまう…
万引き犯を補足する保安士の八木薔子の元へ、かつて不倫関係にあった男の妻が殺害された事件で刑事がやってくる。刑事は彼女に右手を見せてほしいという。薔子は、自身への容疑を晴らすために事件を調べ始めるが、それは大きな事件の一端…