南極で死んだはずの兄から手紙が届いた。カメラマンの矢島拓海は、導かれるように真相を求めて南極へと旅立つ。そこで待ち受けていた兄の真実、そして次々と起こる事件。 南極という場所の厳しさや、ある意味で密室となる地域での人間関…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
南極で死んだはずの兄から手紙が届いた。カメラマンの矢島拓海は、導かれるように真相を求めて南極へと旅立つ。そこで待ち受けていた兄の真実、そして次々と起こる事件。 南極という場所の厳しさや、ある意味で密室となる地域での人間関…
伝説のスリ師の孫娘・華が恋をしたのは警察一家の長男だった。スリ師一家は祖父母、父母、そして兄もが盗みのプロフェッショナルだが、華だけは普通の仕事をして暮らしている。恋人の和馬は公務員であると聞いていたが、ある日、家族に紹…
シューマンの文学的音楽、そしてその生き方が、現代を生きる若者を導く。その先にあるものは光なのか闇なのか。 里橋優の元に、鹿内堅一郎から驚くべき手紙が届いた。かつて天才と呼ばれたピアニスト・永嶺修人が、失ったはずの指を克服…
押し入れに隠されていた4冊のノートには、繰り返される殺人の告白が生々しく書き綴られていた。それを書いたのは母なのか、それとも父なのか、あるいは別の人物なのか。そしてそれは事実なのか、創作なのか。 単純なサイコパスのような…
警察をはじめとする公務員組織の理不尽さ、引き籠りとその家族に対する社会のあり様、それらへの問題提起も含めた社会派ミステリーである。しかし、この結末に胃が痛くなった私は、ひ弱な人間なのだろうか。 引き籠りの子供のために出世…
ウツボカズラというのは食虫植物である。甘美な臭いで虫を誘い込み、それを養分として生きている。持病を抱えながら日常に追われる主婦・高村文絵は、まさに恰好の餌食だったのか。 偶然再会した中学生時代の同級生・加奈子は、怪しさを…
人との出会いと繋がりが人の生きる希望となる。それは家族の糸かもしれないが、そもそも何をもって家族と言うのだろう。本作品は加賀恭一郎の従弟で、刑事でもある松宮脩平が、カフェオーナーの殺人事件を追いながら、自分自身の過去の糸…
学校代表に選ばれた読書感想文は盗作だというSNSの投稿が事件の発端となる。感想文の指導にあたった教師・汐野は、この問題を解決すべく、積極的とは言えないまでも結果として多くの時間を割くことになる。しかし、この事件は中学校内…
個性的な医師たちが活躍するアクションミステリー。若き外科医・九十九勝己の新たな職場は、神酒(ミキ)クリニックというVIPの治療を行うクリニックであった。院長の神酒をはじめ、超一流の腕を持った医師たちが行うのは、単なる医療…
ミステリー小説を読む醍醐味は、読者として見事に騙されるところにあると思っていたりする。あれこれ考えを巡らせ、予想をしてみて、見事にその裏をかかれたときの快感は何とも言えない。 この作品の主人公はハサミ男と呼ばれる殺人鬼自…