戦国時代、石垣施工の技能集団・穴太衆。その中でも、石垣を築く技術を持った天才を人は塞王と呼んだ。穴太衆の若きリーダーとなった匡介は、絶対に破られない石垣を造れば、戦国の世を終わらせることができると考えていた。 一方、鉄砲…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
戦国時代、石垣施工の技能集団・穴太衆。その中でも、石垣を築く技術を持った天才を人は塞王と呼んだ。穴太衆の若きリーダーとなった匡介は、絶対に破られない石垣を造れば、戦国の世を終わらせることができると考えていた。 一方、鉄砲…
第二次世界大戦で女性を兵士として戦場に送ったソ連。女性として、ロシア人として、人として、何のために戦うのか、そして戦った後に何があるのか、いくつもの問いかけが弾丸のような速さで戦場を駆け抜けていく。圧倒的な臨場感、そして…
学生時代に友情をはぐくんだ男女四人は社会人になり、それぞれが壁にぶつかっていた。そんなときに、仲間のある事柄をきっかけに再会することになった彼らは、自分自身のことに精一杯になりながらも、互いを思いやり、そして互いを必要と…
荒木村重は有岡城にて織田信長に反旗を翻した。物語は有岡城で起こる事件の謎を突き詰めていく戦国ミステリーだが、憂き世の切なさが溢れる世界が現代社会にも重なって見えた。 秀吉の使者として有岡城に遣わされた黒田官兵衛を、村重は…
医者は神か。医者に救いを求める患者や家族はその信者か。医療ロボット「ミカエル」を操る心臓外科医・西條は、日本におけるロボット支援下手術の第一人者として実績を積み重ねてきた。そして、所属する病院内でもその地位を確かなものに…
十世紀末の中国大陸は宗の時代であったが、北方の遼とその領土を争っていた。楊家(ようか)は、純粋に戦いのために生きるような一族で、その強さは宗、遼、いずれからも一目置かれる存在であった。この物語は、両国の争いの中で、楊家の…
ユダヤ人迫害が激しさを増す戦争の時代、ひとつの小さな命を守るために、両親はその命を投げ捨てるかのように他人に託した。その命を拾い受けた木こりの夫婦は、天傘の授かりものとしてその子を大切に育てるのだが、そのためには犠牲が伴…
かつて世間を混乱に陥れたグリコ森永事件──未解決事件の真実を追ったドキュメントである。なぜ犯人は捕まらなかったのか。脅迫された会社、警察、マスコミなど、それぞれがどのような行動をしたのか。そのことから見えるのは、単なる事…
コロナウイルス対策の初期、2020年の1月から6月頃までに、専門家会議は何を目指し、どんな活動をしていったのか。また、その周辺環境、特に政府や各行政機関などの動きはどのようなものだったのかを追ったドキュメントである。 誰…
甲子園を目指す高校球児たちは、コロナによる甲子園の中止に直面して何を感じ、何を考えたのか。指導者は生徒たちを前に何を考えたのか。この夏の出来事が、あの夏の出来事へと変わっていく中で、彼らは何を失い、何を得たのか。 自らも…