愚行録(貫井 徳郎)

自分の心を見透かされているかのような、心に刺さったガラスの破片のような作品だった。
一家殺人事件をめぐって何人かのインタビューが進むのだが、それぞれの告白によって浮かび上がるのは、一家の様子だけでなく、告白者自身の内面でもあった。
人間とは愚かな生き物だ。
そして、愚かさゆえに愛すべ者なのだと思う。

個人的おすすめ度 3.5