ライオンズ、1958。(平岡 陽明)

福岡を拠点とする西鉄ライオンズが躍進した時代。
新聞記者の木屋と、ヤクザの田宮は、ライオンズを退団した川内が娼妓と駆け落ちした事件をきっかけに付き合うようになる。
二人の間に、共通する人物による運命的な縁があり、それが人としての生き方に影響を与えていた。

物語は、田宮という男の真っすぐな生き方と並行して、西鉄ライオンズの四番・大下弘の情熱と人情を描いていく。
彼らは立場こそまったく違うが、人として決してブレることのない信念をもち、自らの人生を愛すべき人たちのために惜しみなく使うという点において共通していた。

この本は、記者、プロ野球選手、あるいはヤクザだとか、そういう肩書ではなく、人間としてどうあるべきかということを伝えてくれる。
読んでいて何度も心が熱くなる一冊だった。

個人的おすすめ度 4.0