むこう岸(安田 夏菜)

私立の進学校から公立中学校に転校した山之内和馬と、生活保護を受けながら家事や妹の面倒を見ている中学生・佐野樹希。
それぞれの視点から見える社会の問題をわかりやすく描いた児童文学だが、大人こそ読むべき一冊だと思う。

貧困は個人の問題として片づけていいのか?
人を見下して安心している気持ちはないか?
すべての人が幸せになるには何が必要なのか?

この作品に出てくる彼らの姿はリアルだと思う。
これを読んでもなお他人事として素通りする人が多いのかもしれない。
それでもなお、この本が多くの人に読まれることを願う。

個人的おすすめ度 4.0