塩狩峠(三浦 綾子)

明治42年、北海道の塩狩峠で発生した鉄道事故で、自らを犠牲にして乗客の命を救った鉄道員がいた。
この事故をモチーフに描かれた作品で、主人公が信仰するに至るキリスト教の教えが物語全体の骨組みとなっている。
主人公が苦悩の果てにたどり着いた愛と信仰、そして犠牲というものが心に浸みてくるとき、読者として自分自身の傲慢さに触れたような気がした。
こんな風に人のためには生きられないだろうが、その欠片でも心に刻んで生きようと思う。

個人的おすすめ度 3.5