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インビジブル(坂上 泉) – まったくの拓の読書備忘録

インビジブル(坂上 泉)

昭和29年の大阪で、頭部が麻袋に覆われた死体が発見される。大阪市警察、国家地方警察という異なる警察組織が合同で捜査をすることになるが、ちょうどそのころ、国会では警察組織の統合が決議目前となっていた。捜査が始まって間もなく関連が疑われる殺人が発生するが、警察内部での争いによって捜査は難航する。

戦争を経て新たな価値観が形成されつつある中、熱気を含んだ時代の空気感が犇々と伝わってくる。豊かさへ向けて一歩を踏み出した人々がいる一方、かつて切り捨てられた人々は未だに這いつくばって生きている。そうした中、主人公をはじめとする刑事たちは、警察が護るべきものは何なのかを問われるのである。

社会から見えざる者の存在がこの物語のテーマであろう。人間が人間である限り、現代においても同じように存在しないかのように扱われている人々がいるはずだ。この物語が訴える本当に意味はとても深いものだと感じた。

個人的おすすめ度 4.0