上と外(恩田 陸)

中米の某国でクーデターに巻き込まれ、両親とも逸れてしまった兄妹が、密林の中で出会ったものとは。
前半は、謎だらけの中で、家族間の微妙な関係性と目まぐるしい展開とがうまく絡み合って展開していくのが面白い。
後半はクーデターの大きな目的が明らかになっていくが、小説という枠を超えて、人類が多様性を維持する必要性はどこにあるのか、理想的な社会とはどんなものなのかといった根源的な問題が語られていく。
先が読めない怒涛のストーリーが凄い。

個人的おすすめ度 3.5