三つ編み(レティシア・コロンバニ)

環境が全く異なる三人の女性が、それぞれの場所で逆境に立ち向かって生きていく姿を描いた、フランス発の世界的ベストセラー小説。

インド、イタリア、カナダと、それぞれ女性が置かれた社会環境は異なるが、この作品では男性を責めるのではなく、社会全体の問題として取り上げながらも、それに立ち向かっていく人たちを描いている。

三つの地域のうち、特にインドの状況は厳しいなと思いながら読んでいたが、後書きを参考にすると、男女の格差に関する世界経済会議の「グローバルジェンダーギャップ指数レポート」では、日本はインドをさらに下回っているとのこと。
指数だけでは表せないものもあるが、日本でこの本が読まれることに一定の意味はあると思う。

三つの物語が集約されていく物語の展開がとても巧く、世界中で読まれているということに納得の一冊だった。

個人的おすすめ度 3.5