映画の中では不可能が可能になる。それを実現しようとする特殊造形師マチルダ。彼女は激しい葛藤の中で、長年自らの中に存在している存在を作り上げようとする。そして、ある日突然、姿を消してしまう。
時代は過ぎ、映画の表現にCG技術が欠かせないものとなっていく。CGクリエータのヴィヴは、自らの才能に疑問を感じながらも、映像を作ることに没頭している。ヴィヴが新たに取り組むことになる仕事は、伝説となっているある作品のリメイクだった。
手で触れることができる造形物を生み出す特殊造形師と、コンピュータの中で自由に動く命を生み出すCGクリエーター。クリエイターとしての在り様は、互いにアプローチは違っても、最高の映像を作り上げるという目的においては同じものがあるのだろう。
突出した業界で生きている彼女たちが、悩みながらも作品を作り上げていく姿を描いた物語からは、クリエイターという存在へのリスペクトを感じた。スタッフロールに連ねられた一人一人に感謝をしよう。
個人的おすすめ度 4.0