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さよならの儀式(宮部 みゆき) – まったくの拓の読書備忘録

さよならの儀式(宮部 みゆき)

表題作を含む8本の短編は、現代社会の問題を反映したファンタジー作品で、一編読み終えるごとにチクチクと見えない棘が刺さっていくような感覚があった。

家族の在り方を問う「母の法律」、監視社会をシニカルに描いた「戦闘員」、タイムスリップによって得られる幸せを描いた「わたしとワタシ」、ロボットと人間の関係を描いた「さよならの儀式」、突然の自己覚知が印象的な「星に願いを」、正義と復讐、善と悪がどこにあるのかがわからなくなる「聖痕」、戦前・戦中のドキュメントと勘違いしてしまいそうになる「海神の裔」、繰り返される人生とは何かが問われる「保安官の月日」。同じような作品はひとつもない。

個人的に好きなのは「さよならの儀式」、「母の法律」、そして「保安官の月日」だ。特に「さよならの儀式」は印象的なシーンが続くので、短編映画化されてもよさそうな展開である。

これだけバラエティに富んだ発想があるというのは流石。じっくりと楽しませていただいた。

個人的おすすめ度 3.5