本格的なSFがこれほど面白いと思ったのは久しぶりだ。第一弾は確かにプロローグに過ぎなかったのだろう。第二弾となる本作では、三体文明からの侵略の危機に晒された地球人の行動が描かれている。
前作で主人公として描かれていた葉文潔は亡くなり、その娘の知り合いであった羅輯を含む四人が面壁者という特殊な役割を与えられる。このアイデアも去ることながら、様々な事象や取り組みの科学的な裏付けが素晴らしい。そして、難しいはずの技術的な説明が、恐ろしく分かりやすく記述されていて、物語の世界観が頭の中にどんどん広がっていった。
第二部は上下巻で、三章に分けられているが、タイトルとなっている黒暗森林は第三章にあたる部分で、それまで張られてきた伏線が回収されながらも、さらに来年出版されるという第三部へ向けての要素も散りばめられているのだろう。
宇宙には人間以外にも知的生命体がたくさん存在している。しかし、我々はそれを発見することができないのはなぜか。三体文明との邂逅が人類に齎すものは何か。あるいは、三体文明にとって我々地球人との出会いはどんな意味を持つのか。
これから読む人には先入観なく読んでもらいたいので、これ以上の説明はしないことにする。しかし、誰もがこの面白さに圧倒されることは間違いない。
個人的おすすめ度 5.0