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プリズン・ドクター(岩井 圭也) – まったくの拓の読書備忘録

プリズン・ドクター(岩井 圭也)

医師・是永史郎は、医大の奨学金免除のため、刑務所の医者として働き始める。そこでは、まず患者が嘘をついていないかどうかを見極めるところから診察が始まる。史郎にとってこの仕事は義務的にこなすだけの仕事であったが、患者たちと向き合う中で徐々にその姿勢は変化していく。

一方、史郎は母の在宅介護をしている。脳の病のせいで攻撃的になる母。それは病のせいであって母のせいではないと理性ではわかっていても、時に声を荒げてしまうこともある。罪を憎んで人を憎まず、病を憎んで人を憎まず──その考え方は実際に対面した人間にとって単なる机上の空論でしかないかもしれない。

囚人たちと向き合い、母と向き合い、仲間や恋人に支えられ、史郎自身が自らの心と対峙していく物語は、多くの共感と共に心に響く。人を診るというのは、物理的なことだけでなく、その人自身が抱える心と対面することなのだと気付かされた。

個人的おすすめ度 4.0