江戸から明治にかけて活躍した絵師・河鍋暁斎。絵に対するその姿勢を自ら画鬼と称し、人生のすべてを絵に捧げ、自らの息子や娘にも絵師となることを求めた。娘のとよと暁斎の関係は、親と子ではなく、絵を通した師匠と弟子の関係であった…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
江戸から明治にかけて活躍した絵師・河鍋暁斎。絵に対するその姿勢を自ら画鬼と称し、人生のすべてを絵に捧げ、自らの息子や娘にも絵師となることを求めた。娘のとよと暁斎の関係は、親と子ではなく、絵を通した師匠と弟子の関係であった…
能楽の曲目をベースにした八つの物語。安易なハッピーエンドではなく、逃れられない人間の業が溢れていて、能面の下にある人間の本性に怖さを感じた。 山の中で山姥の舞を見せる遊女の心中を描いた話や、裏切られてもまた信じたい女の話…
江戸中期の人気画家・伊藤若冲の人生を描いた物語。若冲はなぜあのような奇抜な絵を描いたのか。懊悩の極みにあって、絵を描くことだけが生きる術だったのではないか。楽に生きていくことなどできず、死ぬこともできない自分。 前半から…
仁和寺の僧・寛朝が坂東の地で平将門と出会って受けた衝撃。人間の美しさと愚かしさが、楽音となって奏でられていく。生身の人間同士が血を流しあいながら本気で生きているその魂に様に圧倒される。読んでいるだけで全身に痛みを感じるよ…