明治初期から大正、昭和と、激動の時代を生きた河井道という女性。その視線の先には、すべての人々が平等な社会と、それに基づく世界平和という大きな志があった。女性の社会的な役割を認め、教育機会を作り、地位を向上することは、今な…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
明治初期から大正、昭和と、激動の時代を生きた河井道という女性。その視線の先には、すべての人々が平等な社会と、それに基づく世界平和という大きな志があった。女性の社会的な役割を認め、教育機会を作り、地位を向上することは、今な…
主人公の女性たちは、人生の壁にぶつかって、誰にも言えない悩みを心に抱えている。他人から見れば他愛のないことかもしれないし、関心すら持ってもらいえないかもしれない。しかし、小さなきっかけで人生は良い方向へと変わっていく。ラ…
痛快すぎる4つの短編には、いずれも今を生きる素敵な女性たちが登場する。彼女たちには、踏まれても踏まれても何度でも起き上がる強さがある。 「ランチのアッコちゃん」「夜食のアッコちゃん」は連作で、派遣社員の主人公と、先輩であ…
夫に先立たれて屋敷に一人になった正子おばあちゃんと、そこに転がり込んだ若者・杏奈を中心に物語が展開する。単なるドタバタ劇と思って読んでいたが、後半は畳みかけるように考えさせられた。タイトルの意味も深く、ラストは素晴らしく…
人間の感情ほど怖いものはない。他人の感情に振り回されることほど迷惑なこともない。しかし、人間だからこそ人を求めてしまうことがあり、それが錯覚した共感であっても依存してしまうことがある。そのことを、ナイルパーチという巨大魚…
男たちを誘惑して次々と殺害した容疑者を、主人公の女性記者が取材していく中で、容疑者に取り込まれていく展開に、まるで自分が引き込まれていくような恐怖を感じた。物語の中で、濃厚なバターの美味しさが描写されると、読んでいながら…