人にはない力を母から受け継いだ小夜は、あるとき犬に追われる子狐を助けた。その狐はこの世と神の世の境に棲む野火という名の霊狐であった。また、小夜は、森陰屋敷という大きな屋敷から出ることを許されない少年と出会い、心を通わせる…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
人にはない力を母から受け継いだ小夜は、あるとき犬に追われる子狐を助けた。その狐はこの世と神の世の境に棲む野火という名の霊狐であった。また、小夜は、森陰屋敷という大きな屋敷から出ることを許されない少年と出会い、心を通わせる…
シリーズ第四弾は、バルサではなく新ヨゴ皇国皇太子チャグムが活躍する。隣国サンガルでの新王即位儀礼を舞台に、大きな事件が発生し、そこに巻き込まれていくチャグム……というより自ら巻き込まれていくという方が正しいだろう。 人の…
今生きている世界が夢ではないと断言できる人がどれだけいるだろうか。夢と現実の境はどこにあるのか。人はなぜ夢を見るのか、夢とはどんなものか、それを深く考えた先に、人としての生き方が見えてくる。このシリーズは、生きるために大…
守り人シリーズ第二弾は、生まれ故郷へ戻ったバルサが、育ての親であるジグロと自分自身の過去と向かい合いながら、ジグロに被せられた汚名を雪いでいく物語。主人公らの感情に共鳴を感じながら、臨場感あふれるファンタジーの世界観に引…
守り人シリーズの第一巻。上橋先生のファンタジーは、世界観が本当に素晴らしくて、リアリティを感じる。新ヨゴ皇国の皇子の用心棒となる主人公バルサをはじめ、誰もが人間としてのドラマを背負っていて、それぞれに自然と感情移入しなが…
前作の続編だが、ファンタジーというよりもはや医療小説ではないかと思えるほど深い考察を感じる作品である。医療とは何を目指すべきか、医者とは、薬とは、そして命とは何か、そんなことを真正面から捉えていて、考え込んで唸りたくなる…
このシリーズ全5巻を読了してみて思ったこと。十代の頃に読んだら、おそらく理解できなかった部分がたくさんあるだろう。それだけ考えることが多く、深く心に残る作品だった。外伝はサイドストーリーでありながら必要な一冊で、なんだか…
人という愚かな獣としてどう生きるのかを考えさせられた。ファンタジーや児童文学という枠には収まらない作品で、多くの人が読んで共感できる部分がある物語だと思う。ハッピーエンドとは言えないが、納得の結末だった。 個人的おすすめ…
この作品はなぜこんなにもリアリティーに溢れているのだろうか。読んでいて気が付くと作品の世界に没頭している。そこに、現代社会の縮図を見るからかもしれない。王獣は現代社会における核技術にあたるものかなと思いながら読んだ。人間…
歴史には終わりがなく正解もない──二巻で物語がいったん終わることで、そのことが表現されているのだろうか。何もかも著者に答えを求めるなら読めない、奥が深い物語になっている。王獣という獣に惹かれていくエリン、戦争に利用される…