四部作の最終巻。本多や透の人間に対する捉え方は厭世的であり、かつ自分の自尊心は決して傷つけられない利己主義もある。そして、それこそが人間だ、お前もそうだろう、と読み手の喉元にもナイフを突きつけるような厳しさがある。人生で…
小説を中心に、時々ドキュメントやエッセイも読みます。
四部作の最終巻。本多や透の人間に対する捉え方は厭世的であり、かつ自分の自尊心は決して傷つけられない利己主義もある。そして、それこそが人間だ、お前もそうだろう、と読み手の喉元にもナイフを突きつけるような厳しさがある。人生で…
タイの王女にかつての友の転生を確信した主人公が、執着心を露わにして行動する様が辛くもあり、また、人間的でもある。作品全体として、官能美ともいえるような日本語表現の美しさ溢れ、また、輪廻転生に対する考察も非常に興味深かった…
1部で親友を失った本多は38歳となり、世故にたけた判事となった。しかし、親友が転生したと思われる青年・松沼勲と出会い、事態は急転する。純粋さと穢れの狭間での葛藤を見事に描いた作品で、自分が読むタイミングで理解の仕方が変わ…
旧仮名遣い&旧漢字でじっくりと読了した。若い主人公が、初めての恋に溺れ、盲目的に突き進んで行く様が、美しい表現で見事に描かれている。主人公の自分勝手さに昔の自分を見たような気もして、心の襞を強く撫でられたような痛みも感じ…