カテゴリー: 直木三十五賞受賞作

銀河鉄道の父(門井 慶喜)

父・ 政次郎の視点から宮沢賢治の人生を描くことで、等身大の賢治が描かれていると感じる作品だった。賢治の生き方に周囲も大変な思いがあったと推測されるが、そのことを決して否定的に捉えず、むしろその生き方を理解して応援する家族…

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サラバ!(西 加奈子)

イランで生まれた日本人の主人公が成長していく物語。両親、姉、近所のおばちゃんなど、個性あふれる人々が登場し、まったく先が見えない展開に引き込まれていった。奇想天外な物語の一方で、主人公は、人と人の距離感という、人生を生き…

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恋歌(朝井 まかて)

これほど泣いた作品があっただろうか。維新の時期における水戸藩で生きる中島歌子の人生は、紆余曲折と一言で片づけられるようなものではなかった。悲しみ、悔しさ、そしてある瞬間の幸せなどがひしひしと伝わっくる。途中も、そしてラス…

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蜜蜂と遠雷(恩田 陸)

これは本当に小説なのだろうか?紙面から音が聞こえる気がするのはなぜだろうか。音楽を文字でここまで表現できるのかという感動があった。ピアノに人生をかけたピアニストたちの思いが交錯し、それぞれの生き方が旋律となって表現されて…

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