3時のアッコちゃん(柚木 麻子)

主人公の女性たちは、人生の壁にぶつかって、誰にも言えない悩みを心に抱えている。他人から見れば他愛のないことかもしれないし、関心すら持ってもらいえないかもしれない。しかし、小さなきっかけで人生は良い方向へと変わっていく。ランチのアッコちゃんに続いて、とても軽快で気持ちのいい四編の物語。

この本を読みながら、アッコさんのような人に出会いたいなと思う人は少なからずいるだろう。実際は、自分のことを気にしてくれている人も身近にいるかもしれず、単に自分自身が気づいていないという可能性もある。この作品に出てくる人すべての人がアッコさんに直接出会うわけではないが、人のと出会いで人生は変わっていくのだとわかる。

笑ってしまうシーンもあれば、自然と涙が零れそうになるシーンもある。共感する部分もたくさんあり、頷きながら自分のことのように主人公を応援した。ちょっと自信を無くしてしまったとき、あと一歩の勇気が欲しい時、元気になりたいとき、この本を開くと力が湧いてくるだろう。読むビタミン剤と言えるシリーズである。

個人的おすすめ度 4.0