黄金の王 白銀の王(沢村 凛)

翠(すい)という国では、鳳穐(ほうしゅう)と旺厦(おうか)という二つの氏族が互いに覇権を争っていた。
元を辿ればどちらも同じ血筋であるが、いまや互いに恨み合い、血で血を争っていた。
そんな中、それぞれの王が、争うことを止めるために大きな決断を下す。
しかし、それは二人にとって茨の道であった。
愚かに争う人間社会をどのように統治していくのかというのは、常に苦渋の決断を迫られることであり、その決断の結果を背負っていくのが指導者なのだろう。
ファンタジー作品であるが、人間社会の問題をしっかりと捉えた、読み応えのある物語である。

個人的おすすめ度 4.0