風の海 迷宮の岸 十二国記(小野 不由美)

十二国気シリーズ、今回は王に使える麒麟が主人公だが、やはり世界観が素晴らしい。
麒麟の役割は、新たな王を選び、そして王に使えるというものだが、主人公は幼少期を現代の日本で過ごし、あるとき突然この世界に戻されて麒麟だと言われる。
しかし、この少年がその現状をあまり違和感なく受け入れたのと同じように、読者としてもその世界を受け入れられるのがこの物語の巧みさなのだろう。
人の成長期を描くとともに、この異世界のルールがしっかりと伝わるのが今回の物語であり、シリーズの基礎部分を担う一冊であることは間違いないと思う。
この先を読むのがますます楽しみになった。

個人的おすすめ度 3.5