若冲(澤田 瞳子)

江戸中期の人気画家・伊藤若冲の人生を描いた物語。
若冲はなぜあのような奇抜な絵を描いたのか。
懊悩の極みにあって、絵を描くことだけが生きる術だったのではないか。
楽に生きていくことなどできず、死ぬこともできない自分。

前半から物語に没頭できる作品だが、そうした苦しみが伝わってきて胸が苦しくなる。
だからこそ、自分が当時を生きているかのような臨場感も味わうことができる作品である。

物語の終盤は見事としかいいようのない展開で感動した。

個人的おすすめ度 5.0