罪の余白(芦沢 央)

妻を亡くし、娘を亡くした安藤聡は、生きる気力を失っているように見えた。
その安藤に、小沢早苗は「なぜ謝るんですか?」と聞く。
もし早苗の存在がなかったら、彼はこの物語の最後まで生きていることはなかっただろう。

安藤は、娘が死んだ理由を調べていくうちに、二人の同級生が関わっていることを知る。
一方、同級生の咲と真帆は、自分たちがその死に関係していることを隠蔽しようとする。
学校の中にあるヒエラルキーは、読んでいて苦々しい思いを感じたが、一般社会でも同じようなものは存在する。

常に緊張感を保ったまま、クライマックスへと進んでいく展開が素晴らしい作品だった。

個人的おすすめ度 3.5