琉球アスティーダの奇跡(早川 周作)

2018年にスタートした卓球Tリーグ琉球アスティーダはその1チームとしてリーグに参戦し、創設3年目で日本一に輝いた。しかし、注目すべきはその結果だけではなかった。琉球アスティーダの在り方は、日本のプロスポーツに重要な一石を投じるものだった。

チームの運営母体である琉球アスティーダスポーツクラブの社長は、私が尊敬してやまない経営者である早川周作氏である。この本を読めば、早川氏がどれほどの情熱をこのチームに、そして企業に注いでいるかがわかる。そればかりか、スポーツを通じて社会全体を変革していこうという強い志が見えてくる。その志に人は動かされるのだ。

この本には、スポーツ界だけでなく日本社会が抱える問題点が示されている。しかし、そのことを嘆くのではなく、諦めずに立ち向かう勇気が必要だと気づかされる。そして、課題を乗り越えていくために最も重要なことは、人との出会いを大切にすることなのだという当たり前のことに立ち戻らせてくれる。

スポーツをする人、プロスポーツを応援する人はもちろん、経営者やビジネスマン、あるいは少しでも社会を良くしていきたいと望む方には、ぜひ読んでいただきたい一冊である。きっと著者の思いに共感するに違いない。

個人的おすすめ度 4.5