燃える地の果てに(逢坂 剛)

1996年、新宿ゴールデン街でバー「エル・ビエント」を経営する織部まさるは、クラシックギタリストのファラオナが弾くギターをきっかけに、スペインの田舎町・パロマレスへ向かうことになる。
彼女が持っていたギターには、彼の店名と同じエル・ビエントという文字があった。

そこから30年前の1966年、パロマレスには、ギター製作家のディエゴ・エル・ビエントと、そのギターを求めてその街を訪ねたギタリスト古城邦秋がいた。
そのとき、この地では、核兵器を搭載した米軍機が墜落するという事故が発生する。
この事故は歴史上、実際に発生したもので、彼らはやがてこの事件に巻き込まれていく。

年代の異なる出来事が同時に進んでゆき、やがてクライマックスへ向けて繋がっていくのだろうと思いながら読んでいたが、想像をはるかに超える展開に興奮した。
ジャンル分けするのが難しいほどに盛りだくさんの展開で、読了してしまうのが惜しいと感じた。

個人的おすすめ度 4.5