背高泡立草(古川 真人)

長崎の島にある古い納屋、その芝刈りに向かう親族たち。
いまや無人になっているその場所をなぜきれいに維持しなくてはいけないのかと娘は母たちに尋ねる。
答えを聞くことは簡単だが、自分で考えてみること、調べてみること、そして感じることで、なんとなくわかったような気持ちになることもある。
すべてのことがわからなくても、自然と行動してしまうこともある。
その積み重ねが、過去、現在、そして未来へと通り過ぎていく情景を紡いでいる。
芥川賞に相応しい作品だと思う。

個人的おすすめ度 3.5