右岸(辻 仁成)

恋愛と性のことばかりを考えながら生きている人たちの物語かなと感じたが、普通の人生ってそんなものなのだろうか。
ある男と女の、恋愛感情を超えたところにある関係を描いた物語で、この「右岸」は「左岸」(江國香織著)と対になっている。
右岸は男性の視点から、左岸は女性の視点から描かれていて、どちらから読んでも楽しめる構成となっている。

さて、この「右岸」は、超能力を持つ男が主人公である。
その能力故に思い通りにならない中、悶々と煮え切らない日々を過ごしていくのだが、後半は主人公が少しずつ他人に興味を持ち始めて色々と気付くところが見どころだった。

おすすめ度 3.5